The Spirit of Prospex

過酷な環境に挑むために生まれた時計には、理由がある。
視認性、堅牢性、操作性。
Prospexは、本質的な機能に裏打ちされた必然の造形を核とし、時代性を取り込みながら進化を続けてきたブランドである。
1965 Diver、1968 Diver、Speedtimer、Alpinistという4つのシグネチャーデザインに共通する思想を、デザイナーの視点から紐解いていく。
第一弾は、Prospexに10年以上たずさわり、現在はデザインディレクターである岸野 琢己がそのデザインを語る。


Prospexを支える3つの価値

Prospexをデザインするうえで、まず理解しなければならないのが、このブランドの価値だと思っています。
1つ目が、プロフェッショナル仕様であること。
2つ目が、歴史と事実が裏付ける信頼性。
そして3つ目が、挑戦を支えることです。
プロフェッショナルが使う時計だからこそ、わずかな不安も許されません。
スペックだけではなく、その背景にあるストーリーも含めて、「これを選んで間違いない」と思えること。
これらが、Prospexをデザインするうえで私たちが大切にしている価値です。


Prospexのデザインコア

この価値を起点にすると、Prospexのデザインのコアは自然と定まってきます。
実際に使用されるシーンを前提にしていること。
機能と美が統合された設計であること。
過剰な演出をしないこと。
Prospexのデザインには、必ず理由があります。
「なぜこの形なのか、なぜこの仕様なのか」という問いに対して、チームで徹底的に議論を重ねます。


4つのシグネチャーデザイン

Prospexには、ブランドを象徴する4つのデザインがあります。
1965 Diver、1968 Diver、Speedtimer、Alpinist。
これらは、それぞれ異なるフィールドから生まれながら、Prospexの思想を最も体現する存在です。
1965 Diverは、国産初のダイバーズウオッチであり、セイコーダイバーズの“起点”。
1968 Diverは、挑戦の象徴。極限に応える“進化”。
Speedtimerは、計測を究めた“精緻さの追求”。
Alpinistは、山と向き合い、自然と対峙する中で磨かれた“感性”。
フィールドも歴史も異なる4つのデザインですが、いずれもプロフェッショナルを支える時計として生まれています。


シグネチャーデザインに共通するProspexのSpirit

これらのデザインに共通しているのは、単なる造形ではなく、Prospexが持つ思想そのものだと思っています。
「復刻」ではなく、原点モデルが持っていた思想を読み解き、現代に適した形へとアップデートしています。
トレンドを追うのではなく、「なぜこのデザインであるべきか」を問い続けること。
それがシグネチャーデザインの本質です。
歴史や事実に基づく誠実なものづくりをクリエーションの根幹にしているからこそ、礎となるデザインが古くなることはないと考えています。


“実用性”を追い続ける理由

現代では、時計に求められる役割が変わりつつあります。
それでもProspexが実用性を追求し続ける理由は何か。
Prospexはプロフェッショナルが使える“本格仕様”の時計です。
精密に、誠実に作られていること。
そして、歴史に裏打ちされた確かなストーリーがあること。
それを身に着けることで、使う人が安心できる。
挑戦に向き合うときの、お守りのような存在になる。
私がデザイナーとして最も目指している姿です。
それこそが先人たちの想いを受け継ぎながら、Prospexのデザインが目指すものだと、私は確信しています。