Story 04漆

漆黒の美をまとう。

職人伝統の技によって生み出された漆。その歴史は、数千年前の縄文時代にまで遡ります。漆は優れた耐久性と風情ある美しさで重宝され、その多くは上品な黒や赤の漆器として食器などに用いられてきました。一方、漆は丈夫さも兼ね備えており、戦国時代には甲冑の強度を高めるために表面やつなぎの部分に施されていました。原料は漆の木の樹液で、水分の蒸発ではなく、空気中の水分を取り込むことで乾きます。漆塗りには極めて複雑で多くの工程があり、すべてが手作業で行われますが、その末に完成する、吸い込まれそうなほどに深く美しい黒は、かかった労力に見合うだけの価値があるものです。この世のものとは思えない漆黒の美、それを漆芸家 田村 一舟氏の技によってダイヤルと融合させ、セイコー プレザージュ 漆ダイヤルモデルが誕生しました。

※ 画像はイメージです。

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類い稀なる技芸の融合。

類い稀なる技芸の融合。

蒔絵職人の祖父と、漆職人の父を持つ田村 一舟氏。彼も今や日本が誇る漆職人の一人です。その難易度の高さと要する時間から、漆を腕時計のダイヤルに用いることは非常に稀有です。まず、駿河炭を使って表面を荒らし、漆を塗りやすくします。その後、数回の下塗り、中塗り、上塗り、研ぎの工程を経て、最後に摺り漆を塗ることで微細な傷やピンホールを塞ぎます。田村氏は、難しい仕事ほどそれを達成した瞬間が嬉しく、やりがいを感じると言います。「日本文化の粋である漆と腕時計は相性がよい組み合わせだと思います。メイドインジャパンがまさに体現されていると思います」。

  • https://youtu.be/3TtSnK5F_4g
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漆ダイヤルが出来るまで

  1. 1

    金属板研ぎ

  2. 2

    下塗り・研ぎ

  3. 3

    中塗り・研ぎ

  4. 4

    上塗り・研ぎ

  5. 5

    磨き・摺り漆

  6. 6

    ろいろ仕上げ
    (艶上げ)

典雅な趣にあふれた表情。

典雅な趣にあふれた表情。

人々の心を捉えて離さない、漆黒を有するセイコー プレザージュ 漆ダイヤルモデルには、白色のインデックスと金色の時分針が配されており、全体に調和を保ちながらも、大胆なコントラストを生み出しています。そして、その完成度を高めるのが、優美な金色の糸で縫い合わされた上品な黒革のストラップです。一枚一枚、すべて手作業で漆が塗られたダイヤルは、どれも異なった表情を見せます。