SEIKO

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修理技能士 笹川 修
大切な思いが込められた時計に再び生命が与えられる
(作業工程)

セイコープレミアムウオッチサービスステーション

毎日使っていた腕時計がある日突然止まってしまった。あるいは、遅れが目立つようになってきたなど、長年愛用していると腕時計が不具合を起こすケースがあります。多種多様なトラブルがありますが、故障や不具合を修理したり、メンテナンスを施すことでそのようなトラブルを未然に防ぐのが、セイコープレミアムウオッチサービスステーションの仕事です。

検査

ここへ持ち込まれる腕時計の大半は故障や不具合によりお客様からお預かりしたものですが、メンテナンスの依頼も含まれます。仕事の順序としては、依頼内容や時計の種類、ブランドなどに分けられた後、担当する修理技能士による腕時計の受け入れ時の検品が行われます。検品の工程では、どこが悪いか状況を確認し、腕時計を診断します。たとえばグランドセイコーの機械式時計では、そのひとつに6姿勢精度確認があり、時計を表裏、上下左右に傾け、姿勢による精度のずれを測定します。

分解修理

様々な検査結果を見ながら原因を探っていくのですが、ここがまさに職人技というべき領域です。個々の腕時計の特性を把握しつつ、結果から原因を想定。実際に分解して該当箇所をピンポイントで突き止めます。修理パーツがあれば交換しますが、あまりに古い腕時計の場合、それができないケースがあります。

例えば、長年お使いいただいている腕時計によくあることですが、湿気が時計内部に入り歯車の真がさびているものは、軽度であれば磨き粉で真(直径0.5mm、長さ1mm程度)の部分を研摩します。この作業を行い歯車真のさび取りと表面研磨を施すことで、ぜんまいからの力の伝達が良くなり、またお使いいただくことができるのです。

パーツ洗浄

一度分解した各パーツを洗浄します。超音波洗浄によって、奥まで入り込んだ汚れや歯車の古くなった油なども完全に落とされます。再び組み上げる際パーツがきれいな状態になり、高い精度を維持するのに必要不可欠な工程です。

外装パーツ研磨

グランドセイコーのコンプリートサービスでは、ケースやブレスレットといった外装パーツは研磨工程へ向かいます。深い打痕などは少し残る場合もありますが、擦り傷程度でしたらここで研磨されることで再び輝きが蘇ります。この工程は磨きの角度や、扱う工具の選択、マスキングで細かくパートを分けて磨き方を変えるなど、高度な技術を要します。そのため、研磨工程は専任の技能士がおこなっています。

組み上げ・最終検査

磨かれたケース、ブレスレットなどは担当の修理技能士の元へと戻ります。組み上がったムーブメントとケース・ブレスレットは再び腕時計として組み上げられます。最終検査では新品の際のテストと同様、腕時計としての精度はもちろん、防水検査やストップウオッチなどの機能検査なども実施されます。

修理やメンテナンスが終わり、検査に合格した腕時計は、お客様の手元へと帰っていきます。大切な思いが込められた腕時計が、再び息づく瞬間ももうすぐです。セイコープレミアムウオッチサービスステーションのスタッフは全員、お客様の気持ちを大切に、心を込めたサービスを続けていきます。