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Exhibition 3

竹に息づく、
凛とした日本の美。

若竹色の春や青々しく力強い夏など、
四季とともに表情を変える竹は、
古くから日本の美を象徴する存在
であり続けてきた。
伝統工芸である「竹工芸」を
アートの域まで広げた四代田辺竹雲斎は、
セイコー プレザージュ
クラシックシリーズの「若竹色」に、
日本の美意識を見出した。

四代田辺竹雲斎さん

竹工芸家・現代アーティスト

四代田辺竹雲斎さん 竹工芸家・現代アーティスト

四代田辺竹雲斎さん

竹工芸家・現代アーティスト

伝統的な竹工芸を礎としながら、竹による大規模なインスタレーション作品を国内外で発表する竹工芸家・現代アーティスト、四代田辺竹雲斎氏。伝統工芸の枠を超えて竹の可能性を拡張する挑戦は、世界各地の美術館や文化施設などで発表され、国際的にも高い評価を集める。代々受け継がれてきた技術と精神を大切にしながら、現代に呼応する新たな表現を追求し続けている。

ナビゲーター

アントン ウォールマンさん

ナビゲーター アントン ウォールマンさん

スウェーデン出身のアントン ウォールマン氏。日本に住みながら、自ら古民家を再生するなど、日本の住まいやものづくりにも関心を寄せる。四代田辺竹雲斎氏の創作の現場を訪ね、しなやかな竹に息づく日本の美を探っていく。

ナビゲーター アントン ウォールマンさん

工芸作品は形を残すもの、
インスタレーションは記憶に残すもの

古くから貿易地であった堺は、商業の街として栄えた。おもな貿易相手であった中国から多くの文化がもたらされたが、竹工芸もそのひとつだ。初代田辺竹雲斎氏は、1925年のパリ装飾美術博覧会にて「柳里恭花籃」が銅賞を受賞するなど、竹工芸作家として地位を確立した人物。その名と技は四代にわたって受け継がれ、現在の四代田辺竹雲斎氏へと継承されている。

アントン竹雲斎さんは竹工芸作家でありながら、竹を編み上げて空間全体を作品へと変える大規模なインスタレーション作品にも取り組まれています。そうした表現を始めたきっかけは何だったのでしょうか?

竹雲斎もともと工芸作家として世界中で作品を展示していましたが、海外における日本工芸の受け止められ方に限界を感じるようになりました。その壁を痛感していた時期に、ロンドンで出会ったある力強い現代アート作品が、私の考え方を一変させたのです。建物全体を作品へと変えてしまう圧倒的なスケール感に感動し、これからは五感で感じる空間のアートを作りたいと思い、竹によるインスタレーションを始めました。それが2008年のことです。

アントン代々の田辺竹雲斎さんは、それぞれ独自の表現を追求されてきたのでしょうか?

竹雲斎伝統と聞くと“同じものを受け継ぐ”というイメージがあるかもしれませんが、時代が変わり生活様式も大きく変化する中で、制作物だけが変わらないのは難しい。時代に沿って革新していくことこそが、伝統なのだと思います。

それはそれぞれの代が、先代と同じものを作るのではなく、自分のオリジナリティを表現したいと考えた結果でもあります。もちろん代々の教えなど変えてはいけないところもある。そこを見極めるのが1番難しいところかもしれません。

アントン竹雲斎さんは工芸作品とインスタレーションの両方を手掛けていますが、それぞれにどのような魅力や役割の違いがありますか?

竹雲斎工芸には、先人の知恵や努力を受け継ぎ、それを後世に繋いでいくという役割があります。また日本の文化的背景や思想、技術などを受け継ぐことも大切ですから、100年後、200年後まで残る工芸作品を作らなければいけない。

一方でインスタレーションは展覧会が終わると、全部ほどいて、形はなくなってしまう。でも今しか見られない、記憶に残る作品になります。その中で、今を生きる自分が考えること、伝えたいことを自由に表現しています。工芸作品は形に残るもの、インスタレーションは記憶に残るもの。その両方を作ることは、私にとって大きな意味があります。

また、竹は天然素材ですから、展覧会が終わるたびに丁寧に解体し、竹ひごの約95%を次の作品へと再利用しています。形はなくなっても、素材は新たな作品へと受け継がれていくのです。

アントン作業を見せていただきましたが、先代が使った道具を今でも使っているのですね。

竹雲斎例えば竹ひごを曲げる時にロウソクで温めるなど、道具や技法は、あえて昔のものを使うことが多いですね。今もっと便利な道具がたくさんあるでしょうけど、代々の道具を守り、人から人へつないでいくことも大切なことです。初代の道具もほとんど私が受け継いでいます。

その一方でCADやCGも使いますし、AIを用いたプロジェクトも進んでいます。伝統を受け継ぐ人ほど、新しいテクノロジーを知らないと、伝統を伝えられない。昔だって新しいものに柔軟に対応していたでしょうから。それが正しかったかどうかは、50年、100年経たないとわからない。でも伝統を正しく受け継いでいれば、正しい場所に戻ってこられますから。

  • 写真:HCC002

    HCC002

  • 写真:竹ひごを曲げる時にロウソクで温める
  • 写真:工芸作品
写真:HCC001
HCC001

また、竹は天然素材ですから、展覧会が終わるたびに丁寧に解体し、竹ひごの約95%を次の作品へと再利用しています。形はなくなっても、素材は新たな作品へと受け継がれていくのです。

アントン作業を見せていただきましたが、先代が使った道具を今でも使っているのですね。

竹雲斎例えば竹ひごを曲げる時にロウソクで温めるなど、道具や技法は、あえて昔のものを使うことが多いですね。今もっと便利な道具がたくさんあるでしょうけど、代々の道具を守り、人から人へつないでいくことも大切なことです。初代の道具もほとんど私が受け継いでいます。

その一方でCADやCGも使いますし、AIを用いたプロジェクトも進んでいます。伝統を受け継ぐ人ほど、新しいテクノロジーを知らないと、伝統を伝えられない。昔だって新しいものに柔軟に対応していたでしょうから。それが正しかったかどうかは、50年、100年経たないとわからない。でも伝統を正しく受け継いでいれば、正しい場所に戻ってこられますから。

日本のアイデンティティを意識する

アントン竹雲斎さんが考える日本の美は、どのようなものですか。

竹雲斎欧米を足し算の美学とするなら、日本は引き算の美学。いろいろなものを省いて、心象を表現します。凛として、謙虚で礼を尽くす。そういうものが日本の美しさだと思います。

アントン初代竹雲斎さんから学ぶこともありますか?

竹雲斎今でもたくさんあります。例えば花籃は、花が入って初めて完成するのが理想。花の美しさを最大限活かしながら、自分の作品と融合させることを、初代の作品から感じ取りました。自分の作品で全てを主張するのではなく、自然と融合することで掛け算になる。それも日本らしい美学だと思います。

アントン日本の美を世界に伝えるために、意識していることは何ですか?

竹雲斎自然に感謝するとか、1つ1つのものに敬意を払う考えは、日本の美学として大切に表現したい。特にグローバルな価値観が広がっている時代だからこそ、日本人の日本人たる所以とは何なのかを、作品を通して表現したいですね。

写真:HCC002
HCC002

アントンセイコー プレザージュ クラシックシリーズの第一印象はいかがですか。

竹雲斎私自身が感じてきた日本の良さを、うまく表現した時計です。時計は華やかにも、力強くも作ることができると思います。しかしこのプレザージュ クラシックシリーズは、優しくしなやかに着ける人に寄り添い、しかも存在感がある。

アントン絹のドレープのようなダイヤルの質感も綺麗ですよね。

竹雲斎私たちも作品をつくるときに、竹の色を染めることがあります。30回ぐらい染料を重ね、深さや趣を引き出す。重ねることで生まれる美しさがあるのです。

このシリーズにも同様の美しさを感じます。シンプルなデザインや色ですが、細やかに積み重ねていくように模様が広がる。とてもきめ細やかな取り組みをされていますね。

アントンダイヤルの若竹色にはどのような印象をお持ちですか。

竹雲斎竹にはさまざまな色がありますが、中でも若竹色は、成長している時期の竹の色。みずみずしさと若々しさ、成長の喜びを感じることができる綺麗な色です。しかもダイヤルは単色でありながらも、また、見る角度や光の反射によって生まれる濃淡も美しいです。

時計を着けて感じたことは、緩やかなカーブや曲線といった丸みです。私も作品をつくるときは、竹ひごの面を細かく仕上げますし、生み出す曲線も作品によって変えます。細かな作業の積み重ねで品格を生み出すこと、それは私自身のこだわりでもありますし、プレザージュ クラシックシリーズとの共通点ではないでしょうか。

アントンプレザージュ クラシックシリーズは、フィット感が良い上、心地よい重みもあります。デザインも派手ではなくてクラシカル。どのようなシーンでも着けられそうな時計ですよね。

竹雲斎時計自体が主張するのではなく、着ける人や着ける場所によっても、時計の見え方が変化していくのも面白いですよね。でも根本的な部分は揺るがない。そういった柔軟性がありながら凛としているところに、竹にも通じる日本の美意識を感じます。

写真:HCC001
HCC001

時計を着けて感じたことは、緩やかなカーブや曲線といった丸みです。私も作品をつくるときは、竹ひごの面を細かく仕上げますし、生み出す曲線も作品によって変えます。細かな作業の積み重ねで品格を生み出すこと、それは私自身のこだわりでもありますし、プレザージュ クラシックシリーズとの共通点ではないでしょうか。

アントンプレザージュ クラシックシリーズは、フィット感が良い上、心地よい重みもあります。デザインも派手ではなくてクラシカル。どのようなシーンでも着けられそうな時計ですよね。

竹雲斎時計自体が主張するのではなく、着ける人や着ける場所によっても、時計の見え方が変化していくのも面白いですよね。でも根本的な部分は揺るがない。そういった柔軟性がありながら凛としているところに、竹にも通じる日本の美意識を感じます。

  • 写真:アントンさんと竹雲斎さん
  • 写真:インスタレーション01
  • 写真:インスタレーション02
  • 写真:インスタレーション03
  • 写真:インスタレーション04

工芸品も時計も、人が丁寧に手をかけることで、時代を超えて受け継がれるものになる。そして、インスタレーションや時計の美しいダイヤル表現は、人の感情に訴えかけるものでもある。セイコー プレザージュ クラシックシリーズもまた、使う人や過ごす時間によって、その魅力を深めていくもの。腕に着けるごとに、その価値や美しさは静かに育まれていく。

日本を巡る

大阪

歴史と人のエネルギーを感じる、
“日本の美”を巡る。

日本で二番目の都市圏を持つ大阪エリアは、東京とは異なる文化や人情が息づく。大阪市は商業、文化、産業において日本の中核を担う大都市だが、その南にある堺市は歴史ある街として知られる。古墳時代から栄え、戦国時代以降は貿易都市・商業都市として発展した堺は、茶の湯を大成した千利休ゆかりの地でもある。歴史と文化が今の暮らしに自然に溶け込みながら、新しい価値や活気を生み出し続けている。

写真:さかい利晶の杜

茶人千利休と、歌人であり作家の与謝野晶子という日本文化に影響を与えた堺出身の偉人をテーマに、堺の歴史文化を発信する文化観光施設「さかい利晶の杜」。なかでも見どころは、利休が手掛けた茶室の中で、唯一現存する京都府大山崎町の妙喜庵の国宝「待庵」を、職人たちが創建当初の姿で想定復元した「さかい待庵」。実際に茶室内に入り、説明を聞きながら、その世界に触れることができる。

写真:仁徳天皇陵古墳

仁徳天皇陵古墳」は、世界三大墳墓のひとつであり、全長約500mという規模や鍵穴形の形状も含め、世界に類を見ない墳墓。「百舌鳥・古市古墳群」としてユネスコ世界遺産に登録されている。百舌鳥古墳群エリアの一角にある大仙公園は、博物館、図書館、茶室、日本庭園、広大な芝生広場などを備え、堺の歴史遺産を体験できる憩いの場となっている。

写真:SARX123

SARX123

写真:伸庵

大仙公園の中にある「伸庵」は、数奇屋普請の名匠といわれた仰木魯堂が、粋をこらして1929年に建てた茶室である。その佇まいは、自然で簡潔であり、堺で大成した茶の湯の文化を広げる場所としても活用されている。四代田辺竹雲斎氏も、この茶室を使ってインスタレーションを行ったことがある。

写真:おおさか堺バルーン

巨大な古墳は、空から見ないとその全貌やスケールを把握することはできない。そこで運航されているのが「おおさか堺バルーン」。係留式の気球で上空約100mまで上昇し、百舌鳥・古市古墳群を一望できる。仁徳天皇陵古墳だけでなく履中天皇陵古墳などもよく見え、約15分間の空の旅はあっという間だ。

写真:SARX123

SARX123

写真:HCC001

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写真:大阪城

豊臣秀吉によって1583年から築城された「大阪城」。1615年の大坂夏の陣で天守閣は焼失。現在の天守閣は1931年に、市民らの寄付により建造されたもの。1995年から97年にかけて大改修が行われ、今に至る。堂々たる姿は大阪のシンボルであり、この地が日本の歴史を語る上で重要な場所であったことを今に示している。

写真:国立文楽劇場

日本に2館しかない文楽専用の舞台機構を持ち1984年に開館した「国立文楽劇場。文楽とは、太夫、三味線、人形が一体化した総合芸術で、18世紀の大阪で生まれたもの。人形が演じるため表現の幅が広く、ゲームや映画とのコラボレーションも好評だ。

写真:資料展示室

劇場内には、文楽の世界をわかりやすく学ぶための資料展示室もあり、人形の展示や動かし方を説明するムービーなどが上映される。外国語の案内も豊富で、文楽の魅力をさまざまな角度から学ぶことができる。

写真:HCC001

HCC001

写真:大阪中之島美術館のソリッドな外観

市役所やオフィス、高級ホテルに加え、美術館やホールが立ち並ぶ中之島は、関西有数の文化・芸術発信エリアとして知られる。その中で存在感を放つ「大阪中之島美術館」のソリッドな外観は、「都市に浮遊する黒い箱」をコンセプトにしたもの。

写真:大阪中之島美術館の吹き抜けの大空間が広がる館内

吹き抜けの大空間が広がる館内は、開かれた美術館を象徴する。約7,000点のコレクションを所蔵しながら常設展は設けず、大阪ゆかりの作品も含めた多彩な企画展を通じて、新たなアートとの出会いを生み出している。

写真:お好み焼き

大阪といえば “粉もん文化”。その代表といえば、お好み焼きだろう。千利休が茶の席で供し、豊臣秀吉も食したという茶菓子「ふのやき」がルーツという説もある。カジュアルな庶民のグルメをアツアツの鉄板を囲んで楽しみたい。

写真:ふぐ鍋「てっちり」、ふぐ刺し「てっさ」

日本を代表する美食であるフグ料理だが、大阪ではふぐ鍋を「てっちり」、ふぐ刺しを「てっさ」と呼ぶ。これは猛毒を持つフグは「当たると死ぬ」ということから、鉄砲と呼ばれていたことに由来しており、“て”は鉄砲を意味する。大阪では庶民も楽しむ料理として親しまれている。

写真:木枠で押してつくる押し寿司「バッテラ」

酢飯の上に薄く切ったしめ鯖と白板昆布を重ねて、木枠で押してつくる押し寿司は「バッテラ」と呼ばれ、大阪で親しまれてきた郷土料理である。昆布の旨味としめ鯖の風味が調和する。